オリベッティショールーム (イタリア・ヴェネチア)

ほぼ中央にある階段。幅や、右側の壁との距離も変化している。

オリベッティショールームは、規模は小さいが、スカルパの代表的な作品の一つである。ヴェネチアの象徴である、サンマルコ広場を囲う建物(旧行政庁)の1階にある。周りは、カフェやレストラン、土産物屋やブティックが並ぶ。

卓上計算機やタイプライターのメーカーであるオリベッティ社のショールームとして設計された。一時、ショールームを休んだ時期を経て、今は財団が管理することで再び公開されており、多くの人が訪れている。天井高さは2階を合わせてもおよそ4m、間口も4m と狭く、奥に20m 続く。この条件の中にスカルパは、多くのデティールを詰め込んでいる。

ここの1番の見所は、ほぼ中央に配置された階段であろう。小川の流れのように、幅を変えながら、下の方に広がって行く。手摺が無いため、足下の白い大理石をより意識した。踏み石同士の隙間や壁との隙間にも、スカルパの意思を感じる。

他にも段差が多くあり、小さな空間の中で、目線が何度も変化する。段差で床の仕上げも変わる。展示用の什器は、普通 見られることが考えにくい裏の細部まで徹底してデザインされている。

明るいサンマルコ広場から光が入るが、内部は比較的暗い。照明は壁面に仕込まれていて、天井の低さへの意識を分散している。(塩谷太一)

階段の壁も、高さや厚みが変化する。 階段の壁も、高さや厚みが変化する。

階段の壁と廊下(ブリッジ)との間のオブジェ。 階段の壁と廊下(ブリッジ)との間のオブジェ。

サンマルコ広場からの光が入り込む。 サンマルコ広場からの光が入り込む。

什器裏まで美しい。 什器裏まで美しい。

エントランスの壁の彫刻 エントランスの壁の彫刻

2階の猫の目のような窓 2階の猫の目のような窓

 |  カテゴリー:フィールドワーク |  投稿者:Shioya Taichi