ファテープルシークリー(インド)
16世紀、ムガル帝国第3代皇帝アクバルによって築かれた幻の都。タージ・マハルを擁するアグラの近郊に、その遺跡は静かに佇んでいます。
わずか5年で完成させたものの、深刻な水不足と酷暑に見舞われ、わずか14年でラホールへと遷都。またたく間に放棄された歴史を持ちますが、それゆえに荒らされることなく、極めて美しい状態で現代に語り継がれてきました。
9つの門を巡らせた城壁の内部は、皇帝の権威を伝える「宮廷地区」と、信仰の場である「モスク地区」に分かれています。イスラム様式を基調としながらも、ヒンドゥーの装飾や仏教建築の意匠、インド伝統の「チャトリ」などが融合した姿は、多様な宗教が響き合うインドの精神そのものです。
建築家・安藤忠雄氏が、ここの放つ光と影のコントラストや、連続する空間構成に深いインスピレーションを受けたというのも頷けます。
鮮烈な陰影が魅せる回遊の美、そして圧倒的なスケール感。訪れる者を「ここではないどこか」へと誘う非日常の光景が、そこには広がっています。
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ディーワーネ・カース。 政治が執り行われた場所。頭のチャトリはヒンドゥーの意匠。
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特徴的な柱の衣裳。バナナのように見える。
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ジョド・バーイー殿。宮廷内では最大の建築で、居住区として使われた。
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建物のスケールと通りの幅のバランスが美しい
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強い陰影のある空間が散りばめられている
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軒裏や柱の細部まで細かい彫刻が見られる
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貯水池。廃れた時はここに水が貯まらなくなったのでしょうか
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モスク地区の回廊。石で木造のように作る技法は古くから仏教・ヒンドゥー建築で使われたとのこと。